「なんで博士課程に行くことにしたんですか?」
「はたらきたくなかったから・・・なーんて(笑」
「それなら、留年すれば簡単だったのに(笑」
なるほど、これが手段を選ばないタイプの考えか。
そう言われて初めて、私が博士に進学しようとした理由が、
「はたらきたくないから」ではなかったことに気づきました。
私は今後、3Dモデリング独特の立体形状の認識の方法に関する研究をしていく予定です。
デジタルモデリング関連のコンテストの作品制作や、
Autodesk Fusion 360の学生アンバサダーの活動、
デジタルモデリング演習のアシスタントの経験などなどを通して、
自分はあんまり苦労せずに3Dモデリングを学んだけど、
どうも理解できない人が想像しているよりも多いということが分かりました。
その理由について、3Dモデリングの形作りの方法が、
デジタル環境があって初めて成立したものだから、という風に捉えています。
例えば、ケーキのクリームは口金と、絞り出す量や力加減の調節で
美しいデコレーションを可能にしていますが、3Dモデリングには、
「やわらかい材料を絞る」という作り方はありません。
また、木彫りのオブジェを考えてみたら、前から見たところ、
上から見たところ、横から見たところをそれぞれの面に描いて、
それに沿って掘り進めていくと思います。
しかし、3Dモデリングでは、大きな角材からいらないところを削る方法というよりは、
必要なところを積み重ねていく方法が主流だと思うのです。
このように考えてみると、アナログ(?)的な作り方は、
まず最初に材料(クリームとか木材とか)があって、それを
絞ったり削ったりして形を作るのに対して、デジタルではもともと何もない状態の
ところから独特な方法で形を指定して作っていくということがわかります。
材料を無視した造形という言い方が適切かは分かりませんが、
3Dモデリングをするときに「どのような材料でつくるか」はあまり意識されません。
そのため、今までに存在する加工方法に例えながら3Dモデリングを教えていくことに
無理があるのではないかなぁ、という考えに至りました。
そんなわけで、これからの私の研究テーマは、3Dモデリング独特の立体形状の認識の方法。
色々と興味関心の対象が変わりやすいので、一途に研究しないかもしれませんが(笑
そのときは後輩がどうにかしてくれると信じております